ここんとこ、medaichiのデジスコの友である双眼鏡 HINODE 5×20 A4をご紹介してきましたが・・・、まあ、medaichiの現役の子達の中で一番コンパクトな機種で、おもちゃみたいな外観のわりに生意気な見え味で、お手軽感満載でお気に入りなんですが、飽きてきたWってこともあるし、今回は、当ブログのお客様に、気分転換ってわけでもないんですが、medaichiの現役双眼鏡のなかで、一番のヘビー級、FUJINON FMT-SX 10×50をご紹介したいと思います。
現役双眼鏡なんて言っちゃいましたが、この子をバードウォッチングに使ってるバーダーはまずいないかと・・・。見てのとおりの大型のポロ型双眼鏡。コンパクトなHINOODE 5×20 A4の重量266gに対し、FUJINON FMT-SX 10×50は1.400gもあります。とりあえずカタログ上のスペックを書いときます。
FUJINON 10×50FMT-SX
- 倍率 10倍
- 対物レンズ有効径 50mm
- アイレリーフ 19.8mm
- 実視界 6°30´
- 1000m視界 113m
- 射出瞳径 5mm
- 寸法・重量 H191mm W218mm(拡張時) 1.400g
現時点で、medaichiの鳥見用のスタンダード機は、右のスワロフスキの8.5×42です。ちなみにこの子はざっと800gですから、FUJINON FMT-SX 10×50は倍ほど重くなります。重さもさることながら、ん~っ、貴公子然としたスワロ君に対して、フジノン君・・・、潔いくらいドン臭いというかジャガイモが転がってるようにW見えます。
時代は、スリムなダハタイプ、ラバー外装の防水機って、十数年前からそんな感じだから、まあ、大型のポロ機が売れんようになるのもわかりますね。下に、世界中のメーカーがポロ機から撤退していくなか、伝説的な立ち位置になりつつある、NIKON 8×30 EⅡと対物レンズを比較してみました。余談ですが、このNIKONの8×30シリーズが、世のポロ機を駆逐しちゃったって側面あるんですが、野鳥の会御用達で、一番売れた双眼鏡らしいです。( 最近、見なくなりましたが・・・)
ワハハ、さすがにデカいわ。50mm vs 30mm だから当たり前か・・・。当たり前ついでに、光学レンズの集光力、解像力はレンズ口径が大きくなるほどupしますから、このフジノン君には、普通サイズの双眼鏡に比べて大きなアドバンテージがあることがうかがえます。
後方から見ると、デ~ンと巨大な接眼レンズ。ほぼスワロ君と同大、28mmもある。この辺は接眼レンズのハイアイポイント化(アイレリーフが長くなること)、ワイド化(視界が広くなること)にともなって、最近の双眼鏡のトレンドとなっています。medaichiは光学の専門家ではないので、怪しい感満載ですが、アイポイントの寛容さ( ぶっちゃけ、覗きやすさ )を確保するためには大口径化しなくちゃなんないんでしょう。
もう、当ブログのお客さん方はよくお分かりとは思いますが、そろそろこの辺から、お話が怪しくというかアホらしくなってくるのですがW、このFUJINON FMT-SXシリーズの双眼鏡には、ピント合わせのためのセンターホイールはありません。左右別々にピントを合わせなくてはならない、IF方式( Individual Focus )なのです。さらに、最短合焦距離は10mほど・・・つまり、それより近いものにはピントが合いません。
取扱説明書を見ると、航海・漁業・監視・天体観測などの専門用途・・・とあります。はなから、近いものを見ることは想定していません。つまり、遠くのもの、それも数百m以遠Wを見るための双眼鏡なんですね。バードウオッチングには絶対、不向きな双眼鏡ということができます。
実際に、ピントリングのゼロ位置で覗いても見ると、medaichiの視力で、野鳥園のお客さんならよくご存じと思われますが、展望塔から400mほど離れた赤灯台から以遠にピントが合います。それより近いもの、たとえば干潟のシギやチドリ・・・ざっと100~200mの距離なら+方向にリングを回さないとピントが合いません。さすがに、少し使っていると慣れてきて、目測の距離感でピントリングが決まるようになってきましたが、眼を放して、ダイヤルを双方調整するのは面倒です。とても、普通の双眼鏡の様に、覗きながらセンターのダイヤルでクリクリ・・・という風にはいきません。
「じゃあ、なんで? そんなゴツくて、不便な双眼鏡が現役なんだ~?」って、言われそうですが、まあ、要は気に入っちゃったってことですね。見え方が気持ちよくて好きなんです。もともと、大型ポロ機の安定した像質にひかれていたということもありますし、fujinonのFMTシリーズ独自のレンズコーティング(EBCコーティングというらしい)が、想像以上に良くて、いままで鳥見では使ったことの無い大口径レンズだということもありますが、明るくて抜けの良い、すっきりとした見え方をします。
このブログのお客さんは、当然、野鳥ファンがほとんどと思いますが、まあ、野鳥の美しさ・愛らしさっていう要素は抜きにして、双眼鏡の光学パフォーマンスというか、双眼鏡をのぞいた時、その視界の何に心を奪われ、喜びを感じるかというと、medaichiだけでなく、像のシャープネスと色の鮮やかさですよね。このFUJINON FMT-SX 10×50は、medaichiにはズバリ正解なわけです。ただし、野鳥園限定!!とさせていただきます。こんな重くてかさばる双眼鏡を持って、野鳥を探しウロウロする趣味はありませんW
野鳥園の展望塔前に広がるのは大阪湾。展望塔に腰かけて、このFUJINON 君で、大関門を出入りする船舶を眺めたり、関空へのアプローチの旅客機、陸自や海保、警察、消防のヘリを眺めるのはたいへん愉快なひと時と知りました。そういう意味で、新しい双眼鏡の楽しみを教えてくれたと思います。大阪湾を行き来する船舶を眺めている時、medaichiの鳥頭に流れるBGMは、当然、加山雄三さんの「海・その愛」で決まり!! 「海よ~、俺の海よ~・・・」ってね。
「ぶっちゃけ、鳥屋のくせに馬鹿げたもの持ってるよな~」と、思わんでもないですが良いんです。趣味だから・・・W。良いとか悪いとか、合理的とか、向き不向きとか、そんなもんじゃないんですよね~。好き嫌いだから。趣味ってそういうもんですよね。