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57年ぶりの五輪飛行だとか・・・

なんでも、東京オリンピックの開会式に合わせ、航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が23日、東京都心の上空を飛行、カラースモークで空に五輪マークを描いたとか。都心を飛行したのち国立競技場の上空へ。青、黒、赤、黄、緑のスモークで五つの輪を描いたらしい。写真は都内にいる娘が赤坂離宮周辺でスマホで撮影したのをSNSで送って来たものです。

木陰(トウカエデかな?)から見上げる夏空の白い雲、駆け抜けるブルーインパルスって、なんか元気が出そうな写真でした。medaichiは普段生きものの写真ばかり撮っていますが、こういうの見るとなんていうか風景や街のスナップ写真もいいかも・・・。撮らんけどW。

高齢者からワクチン接種進んでるから、お亡くなりになる方とか重症者数減っているんで世の中も明るくなっていって欲しいものですね。相変わらず感染者数でばかりマスコミは煽り続けてるけどオリンピックを契機に報道も変わるんじゃないかと。とはいうものの、やっとこさワクチン接種が進んできているこの時期に感染しちゃうことぐらい馬鹿臭いこともありません。せっかく去年から頑張って来たんだもの、今しばらく感染防御に努めたいものです。

Nikon Monarch7 8×30とか・・・⑤

続)とりあえずは覗いてみよう・・・周辺像が崩れるということ

普及機クラスの双眼鏡でなくても、medaichiが双眼鏡のお話をするとき色収差とともによく出てくるのがこういった周辺像の緩み、言い方を変えれば中心にピントを合わせても視野の周辺ではピントが合っていないということがあります。

今日は梅雨明けの晴れ間が広がり気持ちの良い朝だったので、今までお話のなかででてきていた周辺像の緩みについて頑張ってみます。でもって、視野の周辺にピントを合わせてカメラのフォーカスをマニュアルにして撮影してみました。少々手こずりましたが周辺部にピントを合わせると、今度は中央部の像が崩れているのが観て取れるとおもいます。そうですね、双眼鏡では視野の中央部と周辺部は同時にピントが合わないのです。

色々な収差を補正していき、結像点をつなぎ合わせると図のように湾曲した像面が形成されることがあり、大抵は浅いお椀のような像面になります。つまり中央のB’にピントを合わせると周辺のA’そしてC’ではいわゆる前ピン状態でピントが合わないのです。この像面の歪みを像面湾曲収差といい、周辺像の緩みはほぼこの収差によります。

昔の双眼鏡はこれを補正しきれず、概ね中心部はピントバッチリ、周辺部はユルユルは普通でした。今時の機種でもレンズ設計も進みましたが像面湾曲は残存しています。上級機種にはフィールドフラットナが採用されていますので、周辺部の像質が大幅に改善されています。

この像面湾曲は、広視界の双眼鏡の場合深刻な問題となりそうなのですが、人間の眼の視野は広いようですが、双眼鏡の広い視野の中心部と周辺部を同時にハッキリ見ることはできません。意識的に、視線を中心から周辺と移動させることになります。この時視線を周辺部に向けてもさほど像質が崩れたように見えないのは、個人差もありますが人間の眼がある程度の焦点を自動で合わせてくれるからです。若い方のほうが眼の焦点調節能力は高いですから、眼視では、medaichiらが揚げているようなコリメート撮影の写真ほど周辺像質の崩れを感じないのです。

とはいえ、色収差は解像感を損ないますし、周辺像の補正が高いレベルでなされている場合は他の諸収差も良好に補正されていると言えると思いますので、双眼鏡を見るときは着目せざるを得ないわけですね。

Nikon Monarch7 8×30とか・・・④

続)とりあえずは覗いてみよう・・・色収差のこと

ん・・・と、前回、周辺像がユルユルだの、グニャグニャだの悪口ばかり言った ( そこまで言ってないか・・・?W )もんでNIKONさんに怒られそうだなあW。まあmedaichiは双眼鏡についてはNIKONさんのファンでもあるし、ヘビーユーザでもあるから勘弁していただきましょう。

でもって、こないだのMonarch7 8×30の続きです。友人からメールで「色収差飛ばしただろ・・・」とクレームがあったので観てみましょう。色収差というと野鳥園の玄関前の防災無線を思い出しました。おおっ! 旧型のホーンスピーカから次世代型のラインアレイが新設されているではありませんかって、お話はそうじゃなくって、新機種になってから受信アンテナの取り付け位置が変わって、おあつらえ向きの5素子アンテナが並んでいます。

展望塔から柱をセンタに入れると逆光のアンテナがうまい具合に視野周辺に伸びています。外側にもう一本あれば理想的なんですがまあいいでしょう。撮影してみました。

視野の中央部では色収差は感じられません。40%過ぎたあたりから極めて僅かに現れてきますが眼視では判らないかもしれませんね。

40%を過ぎたあたりからアンテナ素子の右側に赤紫系、左側に青緑系で滲んできますがレベルは低いですし、なお外側にいって60%を過ぎてもさほど増悪しないようです。色収差については極めて優秀とまではいかなくても良好に補正されていると言えそうです。前回申し上げた発色の良さとともに好印象でした。

色収差のお勉強

光学も素人なのにブログで双眼鏡のレビューめいたことを書き散らかしているmedaichiですが、まあ、双眼鏡のお勉強のおさらいということで、ちょくちょく出てくる「色収差」についてお話しておきます。要は像周辺の色滲みの事です。

上の図はプリズムによる光の分散を示していますが、みなさん学校の理科の時間に見た覚えがありますよね。光は空中から硝材に入るときと出るときに屈折しますが、色々な波長(色)を含む白色光は波長によって屈折率が違いますから、波長の長い赤色から短い紫まで虹の様に分散されるというわけです。双眼鏡で使用される凸レンズにあっても、レンズの周辺部の形状はこのプリズムの様になりますから、凸レンズの端部を通過した光は色ごとに分かれてしまい、各色で異なった焦点を結ぶことになります。

つまり青紫系の光ほど屈折率が大きいので単レンズの場合は手前に結像します。軸上色収差といいます。要はピントの位置が波長によってズレるわけですね。双眼鏡のレンズでこんなのを覗くと星なんかだと周りが赤やら青に滲んでしまうわけです。上の図は双眼鏡で一般的な二枚のレンズを組み合わせて赤と青のズレを補正したアクロマートレンズを現しています。

軸上色収差は焦点距離のズレでしたが、こちらは波長によって結像位置の高さつまり像の大きさが異なることによってズレが発生しています。色によってできる像の倍率が違うことになり、倍率の色収といいます。具体的には周辺像が虹色に滲む現象として現れます。

ここまでのお話で思いつかれる読者もおられるでしょう。色収差の大きさはレンズの屈折力によって決まりますね。とするとレンズの屈折力を弱くして焦点距離が長くなるほど色収差を小さくすることができるでしょうが、全長1メートルの双眼鏡ってのは実用にはちょっと。また、材質形状の異なるレンズの組み合わせで収差を補正するのは昔から行われてきましたが、やたらとレンズの枚数の多い双眼鏡って工作精度や重量やコスト的に問題ありそうです。

じゃあ、色による分散が全くないガラスがあれば色収差のないレンズができるんじゃないかとなるかと・・・。ん~、残念ながら、そうした材質はありません。でも分散の少ないガラスは開発されています。特殊低分散ガラスと言ってメーカによって、ED、UD、XD他色々呼称されています。蛍石の人造単結晶で作られたフローライトが知られていましたが効果で取り扱いの難しいので、フローライト成分を含んだ光学ガラスとして開発されたものですね。レンズシステムの中に取り入れることで効果的に色収差を低減できます。特殊低分散ガラス : ED (Extra-low Dispersion) 

当ブログのお客様は野鳥観察メインと思われますからこの辺にしときます。まあ、探鳥会とかでビギナさんからプロミナーだのEDだの、スコープや双眼鏡の色収差がらみのご質問もあるかと思いますので雰囲気だけ覚えていただいてもいいかも・・・。そうだなあ・・・medaichiも「そんなことも知らないのかあ・・・」みたいな顔されるのも癪だから一通りさわりだけは勉強しましたが、聞かれればこんなお話になるのはやむを得ないのですが、自分からこのネタふると周囲から人がいなくなりますW。

干潟の生きもの観察会とか・・・

7月末ともなると早いシギチドリの秋の渡りが始まりますから、まあ今の内だろう・・・。ハクセンシオマネキと干潟の生きもの観察会やります。詳細と申込は本サイトの方からどうぞ。medaichiは底生成物知らんのでここら辺は他のスタッフに押し付けて、多分葦原刈っていると思いますW