medaichiは、双眼鏡のマニアでも収集家でもありませんし、光学の専門家でもありません。まあ野鳥との付き合いはそれなりにありますから、ここら辺の事柄も避けては通れんわけで・・・。鳥屋目線で勉強したことの復習と思ってください。ご参考になれば幸いです。
それでは、野鳥じゃなくて、medaichiの野鳥撮影の時のtoolとして、Hinode 5×20-A4の観察を続けたいと思います。
まず目につくのは当然ながらレンズってことでしょう。緑色の一般的な(3層かな?)マルチコートが施されているようです。メーカーの日の出光学のサイトによるとレンズ・プリズムのすべてにコーティングが施されていると書いてあります。
対物レンズ2枚・プリズムも緑系のマルチコーティングとなっています。高級機と比べれば反射が強めですが、まあ価格帯からすれば良い。倍率5倍だし・・・。レンズの枚数少なければ透光感は増すだろうし・・・、価格帯上がってもいいから、9層マルチとかあったら面白いんだけど・・・売れないだろうなW それでなくてもマニアックな5倍機だし・・・
はい、お約束のテスト台・・・って、タイヤチューブで縛っただけW KOWAさんのビデスコ用のセットを流用してます。これって後ろのコンデジ搭載部がXY軸で調節できるのでとても便利で重宝してます。
真ん丸な透光円が見える。鏡筒内部は艶消し塗装され反射処理もていねいで良い感じだ。背景がもっと明るい状態なら、プリズム側面の反射や遮光環の縁が僅かに光るが気になるほどではない。
接眼レンズ側からの観察
余裕のBaK4プリズムで射出瞳はみごとに真円。ポロプリズム特有の瞳まわりの雑光もわずか。コンパクト機とは思えないほどとても丁寧につくられている。この価格帯より上のポロプリズム機種と比べてもかなり良い。このあたりの処理は像のコントラストにはっきり成果として現れる。
ああだこうだ言っててもわかりずらいので写真を撮ることに・・・。ツイストアップの目当ての中に接眼レンズが沈んでいるから、コリメート撮影は難しい・・・でもって、新品の双眼鏡の目当てを取り外して撮影しましたけど、機種によっては元に戻らなくなるのもあるから、良い子はまねしないようにしましょうW
思わず目を疑った・・・。ざっと覗いてみただけで、このHinode 20×5-A4は20mm口径のコンパクト機にもかかわらず、観察に充分に明るく、大変心地よい第一印象を受けるんだが、写真を撮ってみて素性の良さがはっきりした。画像をクリックしていただければ、より大きな画像が開く。画像を見ていただくだけで、周辺部に減光があり、像の崩れも明らかに見て取れるが、注目すべきは、およそ30%程の視野中央だ。これほどのシャープネスとは思っても見なかった。medaichiの予想を超えて優れている。
色彩の見え方については、晴天の日などにもう少し見てみたいが、まず良好。スッキリ・クッキリ好ましい。ん~・・・もうちょっと意地悪な検証をしたくなってきた。
視野中央部分 これはとても良いですね。明るい空抜けの防災無線・・・って、色収差でるだろうな~って、そのためにやってますからW はい、色収差は感じられません。解像感もあり外観( 逆ポロって悪く言えば玩具みたいですもんね。)からは、ちょっと予想できないレベル。
視野30%付近 僅かに左に青紫系、右に赤橙系の収差が現れはじめているが、眼視では、双眼鏡を見慣れた方でないと判らないかも知れない。解像感にも影響がないレベルだ。
視野50%付近 だいたい視野の30%を過ぎたあたりから色収差が出始め、50%あたりでは像質に影響が出始める。そう、良像範囲は40%と言っておこう。とはいえ、一般的なバードウオッチングならどってことない。手持ちで常に中央部で野鳥をとらえつづけるからだ。
双眼鏡の設計って二者択一というか、あちらをたてればこちらが・・・みたいなところがあって、限られたコスト内では、中心部の解像感をとるか、フラットな見え味をとるかなんですが、三脚に装架せず手持ちが多いバードウオッチャーなら、このHinode 20×5-A4のような中心部分の良好な解像感はたいへん好ましい。5倍というと非力な印象を持たれるかもしれないが、手振れがない分、状況によってはより高倍率の機種を凌ぐアドバンテージが感じられます。続きます。