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Nikon Monarch HG10×42・・・なんてね。

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アハハ!今月、全然揚げてないや~って、お客さんに怒られますね。本サイトの方も、撮影スランプ・・・。長雨とか台風で、カメラ持ち出してないってのもあるんですけどね。でもって、毎度おなじみの「機材ネタ」でお茶濁し~。え~っと、今回の子は「Nikon Monarch HG 10×42」で~す。上の写真の真ん中の子です。

えっと、左端の子は、2002年ごろ売り出しの、Nikonモナークシリーズの初号機・・・。medaichiが野鳥園のレンジャやってた頃、デスクの上に置きっぱで使い倒してた子です。右端の子は、おなじみのmedaichiの鳥見の標準機のスワロ君です。

Nikonのモナークシリーズって、鳥やさんならよくご存じですよね、Monarch5・Monarch7とシリーズを追加し、いまや鳥見の定番シリーズになった感があるヒット商品です。medaichiの使ってた初号機なんか「ただモナ・・・」とか言われましたW 当時のトレンド、コンパクトなダハ機、ラバー外装、窒素ガス封入の防水機ってことで即買いしました。

ただモナの初号機君さすがに十数年使い倒していると、ラバー外装は浮いてブカブカしてくるし、目当ても変形・破損してきます。万事大雑把で適当なmedaichiでも、さすがにイラっとくるようになったので、めでたく引退~ってことに。野鳥園は干潟とかメインで鳥が遠いので、普通は10倍機を使います。でもって、medaichiも10倍機に慣れていますので、ここら辺で後釜を探すことに・・・

つづきます。

6倍機を比べてみた

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前回、勝間GROLY QF 6×30 SB-Dとmedaichiの標準機のスワロ君とで色収差のお話ししましたけど、スペックの違う機種同士でいまいち「なんだかなぁ~・・・感」満載でしたのでW。 medaichiの僅かなポロ機のストックのなから、同口径・同倍率のVIXEN ATREK Light BR 6×30 WPに登場していただき比べてみました。最近、発売になった機種で、外装も現代的・・・、ちょっとチャラいけど、まあ、バランスよく見えるし、諭吉先生お一人様位のお値段だから、入門機としてはお勧め・・・なんだけど、まあ、8倍か10倍機買っちゃうだろうなあと・・・人情としてW

katsuma_vixen2 ほら、見口だってゴムじゃないし、接眼レンズの口径だって 勝間GROLY QF 6×30よかずっと大きくて、最近の双眼鏡だな~って感じするでしょ。防水処理もされてますし~。

katsuma_vixen3bまぁ、要は白い灯台を、中央と視野の70%位の位置に置いて写真を撮ってみようかなというお話katsuma_vixen4b

VIXENのATREK Light BR 6×30、新しい機種なもんで、アイレリーフは18mmとたっぷりあるので、撮影は楽でした。この「撮影が楽」って部分なんですが、medaichiは「カメラのレンズに入れ易いんなら、人間の目でも見やすいってことなんだろうな・・・」なんて勝手に解釈しています。

katsuma_vixen5b(画像をクリックすると大きな画像が開きます)  眼視ではそれほど差がないように見えましたが、色の抜けの良さ、コントラストの差はコーティングの差でしょう。視野中央なのでしっかり解像しているようですが、解像感の差はレンズ設計と工作精度の差と思われます。VIXENのATREK Light BR 6×30・・・健闘していますが、勝間GROLYの QF 6×30のこの辺りは、ハイエンドに迫るものがありますから、視野の明るさ、コントラスト、解像感をカメラのレンズは描写してしまいますね。とは言え、双方ともに色収差については、ほとんど感じられません。

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(画像をクリックすると大きな画像が開きます)  さて、視野の70%付近になると、VIXENのATREK Light BR 6×30には、灯台の左に青紫系、右に緑青系の収差が現れてきているのがわかります。勝間GPOLY QF 6×30ではほとんど感じられません。色収差については極めて優秀と言えそうです。しかし、像質を見ると円周方向に崩れが顕著です。VIXENのATREK Light BR 6×30では、像質の崩れは補正され、緩やかに思えます。

色収差は色のにじみてですから、必ず解像感に影響しますが、周辺部の視野については、像質の崩れはレンズ設計による差異もあります。勝間GPOLY QF 6×30、昔風の双眼鏡の見え味ということが良くわかります。

カメラを検証・・・

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例によって、双眼鏡にカメラをくっつけて撮影し、その見え方を云々するというようなことに意味があるんだろうか・・・?  そんな疑問はいつもかんじてはいるのですが、以前にもやってはいるのですが、デジカメの写り方について再度考えてみました。広角24mmで撮影、緑の円は見掛け視野約50°、赤の円は約60°に相当します。仕事場にころがっていたマザーボードを撮ってみました。

test2             ①視野中央部の黄色の円で示した400pixの等倍画像を切り抜いてみました。撮って出しのjpegでなにも加工はしていません。

中央部はどんなレンズでも、まあ一番おいしい画像がでてきますから、この写真が良くも悪くも基準になります。

普段、コンデジで写真を撮っている時は、意識することはないのですが、解像感とコントラストの違いに注目してください。

 

test3 ②視野50°周辺の400pixです。さすがに、こうやって等倍で検証してみると、照明の回り方の差を勘案してみても像質は緩み、コントラストも低下しているのがわかりますが、大きく破綻しているとは言えないでしょう。

加えて、デジタル画像を素人が気軽にいじれる時代だから、拡大しピクセル等倍で検証が可能ですが、medaichiレベルの観察者が目視で確認できるか・・・っていうおはなしではあります。

 

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スケールを添えて撮影してみましたが、ボード上のプリントされた白線、おそらく0.1mm位です。野鳥でいえば羽毛の毛筋一本レベルW

ん~っ、このレベルの像質の崩れを意識することは、まずないでしょうから、双眼鏡経由のコリメート撮影、中央のサークル圏内の画像は、周辺部は若干、カメラレンズの像質の崩れが加味されるが・・・って程度で収まりそうです。

 

medaichiの6倍機決定 勝間GLORY 6×30 その3

polo_binosめでたく、勝間GLORYのQF6×30SB-D君は、medaichiの鳥見用双眼鏡の6倍機のレギュラーに決定しました。ということで、ポロ型双眼鏡の大好きなmedaichiの現在のポロ型レギュラー陣・・・って? あと何台あるんだ?って・・・。はははっ、そんなにあるわけ無いじゃないですか、マニアじゃあるまいしW medaichiは、使わない双眼鏡は持ちませんから。ん~・・・最近、NIKON軍団の出番少ないかなぁ・・・でもSEっていい双眼鏡なんですよぉ、地味だけど・・・。EⅡの見掛け視野の広さも気持ちいいし・・・。まあ、この子達は 手放せないですね。

katsuma_optechで、例によってYカメラでストラップを選んであげました。最近のお気に入りのOP/TECH USAのユーティリティストラップのネイチャー柄。各国の軍御用達の勝間機だからカモフラ風のが似合いますね。元が古臭い・・・いやW  伝統的なスタイルなのでネオプレーンの現代的なストラップをなんて企みながら選んだんですが、いや、このOP/TECHの形状・・・、medaichiに合うのか、まじ楽ですわ。これもお気に入り決定!!

medaichiの6倍機決定 勝間GLORY 6×30 その2

ca1今日も初夏の日差しが心地よいので、medaichiの新たな鳥見用双眼鏡の6倍機である、勝間光機のGLORY 6×30で遊んでみたく思います。今日は色収差の検証をしてみたいので、野鳥園前の道路、電柱の碍子部分を撮影してみることに・・・。

まあ、双眼鏡好きの先輩諸兄がすでに検証されていて・・・(電柱の碍子ってのは双眼鏡の色収差を見るときの定番らしいW)、いまさら感満載の記事ではありますが、何事も鵜呑みはいけません。そう、medaichiがいつも言っている、「バードウォッチングの上達の秘訣は、図鑑などに描いてあることが、実際のフィールドでどう見えるかを確かめること」と一緒ですね。諸先輩の作業をトレースする作業が理解を深めるんです。

chromatic_aberration2能書きばかり垂れててもしょうがないのでやつてみましょう。まず、標準機のスワロ君で撮影してみました。はい、なんにも文句のつけようがありませんW。 だいたい、普通に作った双眼鏡なら、軸上色収差ってほとんど無いらしいし・・・。

chromatic_aberration3次・・・、勝間君です。これまた、素晴らしい絵を出してきますねえ。諭吉先生2名様ちょいWの双眼鏡なのに中央部は解像感、色乗りともにハイエンドの見え方してます。光度、色乗りはわずかにスワロ君を上回るかもしれません。倍率が違うので当然ですが6倍機はほとんど手振れを意識せずに見えますから、野鳥観察で使用しても高倍率機より、入ってくる情報量が多い場合がありますね。

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次、周辺部です。SWALOVSKIって、欧州のメーカの中でも周辺像質にとことんこだわるメーカですから、この程度なら結像はわずかの緩みをみせるだけです。像質の崩れは、ちょっと眼視ではわからないレベルです。周辺にいくにつれて、黄色かかった緑色の色収差が感じ取れるようになります。大抵の双眼鏡と同じで、外縁部にいけばもっと顕著にはなりますが、写真で検証してやっとわかるってことで、medaichi程度の観察者が眼視でああだこうだ言うレベルではありません。

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どうやら周辺部の色収差という部分なら、勝間光機のGLORY 6×30はスワロ君以上のパフォーマンスと言えそうです。さすがに結像はスワロに比べると緩みますが、3個並んだ白碍子の縁を見ても色収差はきわめてわずかしか感じられないのではないでしょうか。ツァイスのVictoryレベルの優秀さと思われます。周辺像質が甘いところとかよく似てますね。接眼レンズなんて3枚しか見えないのに、色収差ってレンズの口径が小さくて、枚数少ないほうが目立たないんでしょうか?

ここまで見た感じでは、勝間光機のGLORY 6×30、中央部の解像感、光度、色乗りの良さ、色収差の少なさ等、双眼鏡というものの基本的な部分でハイエンドの感覚を味わえる貴重な機種というのは間違いなさそうです。みかけ視野の狭さ、アイレリーフの短さ、逆光時のコントラスト等、他にも現代的な機種からすれば今一つな部分はあるものの、希少な防水のポロ型6倍機です。今回、入手出来てとても幸運だったと思います。

medaichiの6倍機決定 勝間GLORY 6×30

katsuma30_6_1え~っと、medaichiは双眼鏡マニアではありません!!! が、以前から欲しかった6倍機・・・。堅実な作りのmade in Japanが、この、勝間光機、GLORY QF6×30SB-Dです。双眼鏡のマニアさんの間で評価が高いものの、東京都板橋区の勝間光機さん、外国の軍隊からの数百単位のオーダーに追われ、一般市場にはほとんど流通していません。

katsuma30_6_2medaichiも「無理かもな~」と諦めていたところ、たまたま、中国国内の販売権を得た会社からの逆輸入のような形で入手することができました。一応、鳥やですから、軍仕様のIFモデルではなく、CF仕様を入手しました。軍仕様と一般市場向けの型式では、レンズ、プリズムのコーティングが違っているはずです。

katsuma30_6_3bまるでアルプスの新緑を映しこんだ水面のような、深みのある緑系の増透コーティングが・・・、接眼も今どきの機種に比べると径が小さいですが、すべてのレンズ・プリズムにコーティングを施したフルマルチコートです。

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接眼レンズ内部には明らかな雑散光が・・・。ポロ型双眼鏡の宿命って部分ありますが、設計の古さを感じる部分ではあります。逆光だとコントラストの低下が予想されますが、まあ、これはこの機種に限った事ではないし、ハレ切すればいいっか。

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medaichiの現役・・・1.5軍くらいW のNIKON 8×30E2君にお出ましいただいて比べてみた。どっちもジャガイモが転がっているように見えますが、勝間GLORY QF6×30SB-Dが男爵イモなら、NIKON 8×30 EⅡはメイクィーンってとこですねW  プリズムなんかは大きさで余裕あるほうが、像形成は安定するんだろうけど、今までごっついと思っていたNIKON EⅡが洗練されて見えますW

ちなみに、NIKON 8×30EⅡとちがって、この勝間GLORY QF6×30SB-Dは防水されていて、普通ポロ型を防水すると大きく重くもなる様です。

     katsuma30_6_5接眼レンズも今時の双眼鏡のスタンダードからすれば、口径小さいです。見掛け視野もアイレリーフも欲張っていませんし、補正もこだわってないからレンズの枚数もすくなそう・・・medaichiの子供のころの双眼鏡みたいですねW

katsuma30_6_6さて、皆さん方にこの勝間GLORY QF6×30SB-D君の光学パフォーマンスを、一片なりとご紹介するためにコリメート撮影してみました。「あれれ? ゴムの見口はずしてレンズをくっつけたのに視野環がキッチリでないや・・・」 覗いた時も少し押し付けるようにしないときちんと見えませんから、おそらくデジカメのレンズと、接眼レンズのクリアランスが詰め切れてないのでしょう。

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レンズのフィルターの取り付けようにねじ切りされた部分が当たって、クリアランスをつめれないのです。ということで、とりあえず2mm位削ってみました。皆さん方はこんなこと真似しちゃだめですよ。medaichiはいいんです、馬鹿だからW

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おおっ、なんとかキッチリ視野環がでてきましたね。これでちゃんとコリメート撮影ができるってもんですね。medaichiは、一応、デジスコ屋のはしくれですからこういうところを手抜きしちゃいけません。

katsuma30_6_7うわっ、見ただけで視野中央の像形成がキレッキレなのわかりますねえ。比べて、50パーセントを外側にすぎたあたりからすでに怪しくなってますね。もう、ズルズルW  昔のツァイスの双眼鏡って、だいたいこんな感じでしたよね。良像の範囲は40%以下30%くらいかもしれません。

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まあ、肉眼の視野角って120度以上あるんだろうけど、ヒトが、私ら鳥屋の場合、視野中央の野鳥を注視している時って、周辺は見えていることを知覚してはいますが、見えているわけじゃないですよね。観察対象が野鳥なら、こんな周辺像の崩れを気にすることは必要ないでしょう。

まあ、たいてい双眼鏡の周辺像にうるさいのは天体つまり、星屋さんですし、ネットとかで双眼鏡のレビュー書いてるのも、星屋さんがほとんどのようです。星のような点光源なら・・・って、ほとんど光学系のテストやってるようなものだしね。周辺像の崩れにしたって、「視野いっぱいに広がる星々を・・・」って観察するなら「許さん!!!」ってなりますよねW

swaroまあ、medaichiの鳥見の標準機にしているSwarovski EL 8.5×42 SV君にご足労頂いて比べてみました。写真見ただけで視野周辺の像が良く持ちこたえているのがわかります。50%をこえるとさすがに緩み始めますが像の崩れは緩やかです。

swaro2「野鳥が対象なら、周辺像の崩れに敏感になる必要ない・・・」って言っておいてなんですが、なんでmedaichiが、Swarovski EL 8.5×42 SVを鳥見の標準機としたかお話ししたいと思います。

まあ、「好き嫌いはあるものの、いわゆる各メーカーの現代的なハイエンド機を見倒して研究すれば、より双眼鏡というものへの理解が深まると思ったから・・・」です。

ん~、長くなりそうなんで、今日はこのくらいにしときます。W