カテゴリー別アーカイブ: シギ・チドリ

オオソリハシシギとかアカアシシギ

オオソリハシシギの幼羽が3羽来て人気者になっています。今年は9月になっても天気の良く無い日が続きました。暑くなくていいんですが、medaichiは休みのたびに降られて緑道の鳥たちを見に行くことができませんから、もう少し干潟のシギチドリで遊んでみたいと思います。

日本で普通のオオソリハシシギは、アラスカで繁殖し、ニュージーランド・ 東オ-ストラリアで越冬するLimosa lapponica baueri は、腰から上背にかけて縞模様があり暗色に見える。亜種コシジロオオソリハシシギはL. l. menzbieri とされ、腰から上の縞模様がまばらでより白っぽく見えます。でもって背腰を見せてくれるまで粘りました。ん~、下背はしっかり暗色ですねえ。要はこの子は腰から下背にかけて縞模様があり暗色に見えるので、亜種オオソリハシシギ L. l. baueri で、東シベリアで繁殖し、北西オーストラリアで越冬する亜種コシジロオオソリハシシギ L. l. menzbieriの可能性はありませんでした。

別の子を観てみると何やら下背のあたりが白っぽくみえますねえ。亜種コシジロオオソリハシシギ L. l. menzbieriの可能性があるかもしれませんね。もう少し近くに来た時に改めて写真を撮ってみましょう。まあなんだ、小亜種名が違うって言っても同じオオソリハシシギだし、そんなに眼の色変えて識別しなくたって良さそうなもんですが・・・。そこは「伊達と酔狂」ですよね。そうでなくても「バードウォッチング」などという浮世離れしたご趣味のみなさまですから、このひと手間を惜しむような野暮は言っちゃいけませんよねW

でもって例によって「背中や腰やらややこしいぞ~・・・」とおっしゃられる諸兄のために、親切なmedaichiは以前描いたシギの上面の図を揚げておくことにします。


こないだのアカアシシギの稿で書き忘れたので追記・・・。えっと、左の子が幼羽から第一回冬羽に換羽中、右の子が成鳥夏羽から冬羽に換羽中ってことですね。

アカアシシギは飛べば比較的わかりやすい。翼の後縁、内側初列風切と次列風切に幅広の白帯があって特徴的ですね。背腰も白いです。

セイタカシギのこと・・・第二回冬羽

西池干潟にセイタカシギが3羽・・・。チラ見で、「♀adと第一回冬羽2羽か~」と流そうと思っていたら、左の個体Aに少々違和感があった。右の個体Cの足は黄色味がかった淡い灰ピンク色で第一回冬羽でいいと思ったのですが、左の個体Cの足の色は真ん中の♀adと思われる個体より僅かに淡いものの、けっこうピンク色に見えました。でもって年齢識別のために翼をパーッて広げてくれるまでまつことにしました。

最初に右端の個体Cがパーッてしてくれました。翼の後端に白色部がありますから、この子は今年生まれの第一回冬羽ですね。スコープでよく見ると嘴基部に赤みが見えます。「SHOREBIRDS」のセイタカシギの記述で「・・・juvenile may show some reddish at base of lower mandible」とありますから嘴基部の赤味は幼鳥あるいは第一回冬羽の識別ポイントのようです。

次に真ん中の個体Bがパーッと・・・。翼は脇に近い雨覆以外黒いですね。上面が褐色ですから♀の成鳥でいいでしょう。嘴も黒いです。

でもって左端の個体Aなのですが、パーッとしてくれると、初列風切に退色した幼羽が残っています。次列風切にも後端に白色部がある幼羽が残ります。シギは第一回冬羽は部分換羽で第二回冬羽から全換羽ですから、風切が換羽して幼羽の残るこの子は第二回冬羽となります。

ことさら第二回冬羽に換羽中とするのか、成鳥羽に換羽中と区別するのか迷いましたが、成鳥♂adに比べ第二回冬羽の上面が色味が鈍く、緑がかった艶のある黒色には見えないこと、足の色も成鳥に比べると僅かに淡く、セイタカシギについては第二回冬羽は区別したほうがよさそうです。

オマケでご参考までに、セイタカシギ幼鳥の写真を揚げておきます。

アカアシシギいました・・・

朝寝坊をした罰か、土砂降りの雨で濡れmedaichiになって野鳥園にたどり着いたら、アカアシシギが出ているとのことでした。雨で暗いし・・・、雨滴が写りこむし・・・、カメラ出すの嫌だったんですが記念撮影はしなくちゃなりませんね。

ブログのお客様にはオマケでもう一枚。この時期の成鳥はすでに冬羽への換羽が始まっています。アカアシシギ冬羽は、顔から下面への縦班は目立たず、上面も一様な灰褐色味を帯びベターっした感じになります。

記念撮影と言えば先日観察したゴイサギ君を忘れていました。北池を海水化してもう25年位経ちますが、以降この君は観察できなくなりました。幼鳥は何度か来ているんですが成鳥は久しぶりなもんで揚げておきます。ん~、ゴイサギの写真撮るのって何年振りかな?W

今日はセイタカシギ・・・

お昼過ぎにセイタカシギの♂ad・・・。近所の埋立地で複数番が繁殖していたのは確認しているから、多分その群れのうちの一羽。

ブログのお客様にはおまけで、ちょっとアングルを変えて撮影。背中が黒いのわかりますよね。♂adの特徴です。セイタカシギの頭部は個体差が多く、暗色班は様々な程度で現れますから決め手になりません。

秋の渡りが始まりました・・・

ヒトの渡る世間は「盛夏の候」ってことなのですが、シギやチドリの世間では北の国で子育てを終えた成鳥達の「秋の渡り」が始まっています。野鳥園の干潟には概ね7月の下旬から姿を見せてくれます。はじめは数は少ないですが日々個体数・種数を増すのが楽しみです。今朝は、アオアシシギadが展望塔前にやってきました。

オオソリハシシギのあれやこれや・・・

4/17にオオソリハシシギの♂adの赤い子が観察できたのだが、4/18以降は赤くない子達が滞在している。日本に普通渡ってくる亜種オオソリハシシギは、アラスカで繁殖し、ニュージーランド・ 東オ-ストラリアで越冬するL. l. baueri とされているのですが、日本では東シベリアで繁殖し、北西オーストラリアで越冬する亜種コシジロオオソリハシシギ L. l. menzbieriが観察される可能性もあります。

日本で普通のL. l. baueri は、腰から上背にかけて縞模様があり暗色に見える。亜種コシジロオオソリハシシギはL. l. menzbieri とされ、腰から上の縞模様がまばらでより白っぽく見えます。でもって背腰を見せてくれるまで粘りました。ん~、暗色班がしっかり入ってますねえ。要はこの子は腰から上背にかけて縞模様があり暗色に見えるので、亜種オオソリハシシギ L. l. baueri で、東シベリアで繁殖し、北西オーストラリアで越冬する亜種コシジロオオソリハシシギ L. l. menzbieriの可能性はありませんでした。

そうだなあ・・・。このネタは普通の図鑑にも書いてありますが、探鳥会で「腰から上背は暗色やねえ~、baueriだね。」とやったら、まわりから人がひくかも・・・微妙です。