カテゴリー別アーカイブ: 水辺の鳥

ウミアイサ♂ad翼上面の黒線

先日来、ウミアイサの♂が入ってくるようになりました。当ブログや本サイトのお客様にはお気づきの方もおられるかもしれませんが、medaichiはアイサ類を見つけると反射的にパタパタ写真、つまり、翼上面の見える写真を撮る性癖があります。野鳥園ではミコアイサとウミアイサは例年観察されますが、カワアイサは2014年11月に記録があるだけです。ですが、翼上面の羽衣の様子、小中雨覆から大雨覆・次列風切にかけての様子が、とくにウミアイサ・カワアイサ・コウライアイサ等のアイサ類の性別・年齢の識別に役立つからです。

今日はウミアイサの成鳥♂についてのお話ですが、ウミアイサ♂adの翼上面について、medaichiらもお客様に説明するときは「風切が黒くて、小雨覆から次列風切に至る白色部に黒横線が2本ありますう。」みたいな説明をしてました。まあ実際その通りだし図鑑の解説もそんなもんです。例えば例をあげると

H社の図鑑・・・初列風切・雨覆は黒く、他の部分は白色で2本の黒線が見える                 Y社の図鑑・・・翼上面の白い部分に2本の黒い線が出る                       B社の図鑑・・・白色部には2本の黒い横線ががある                      著名なカモ識別図鑑・・・飛翔図の♂brの解説に「白い雨覆いに黒線が2本出る」         ネット上のサイトでは「大雨覆と中雨覆先端の暗色部が作る2本の暗色線云々・・・」

でもってmedaichiは以前から「ん~羽衣の、羽根の何処が黒いねん? 普通やったら”大雨覆先端のバフ色班”みたいに書くやろう・・・」と思っておりました。だんだんお話が重箱の隅と化してきましたので、良い子の皆さんはここらへんで読み飛ばしてくださいね。

さて、重箱の隅の続きを行ってみましょうか。ヨーロッパの鳥の羽根関係のサイトを探すと簡単に解決しました。以前描いたカモ類の翼のイラスト描きかけがあったのでチョイとアイサに見えるように誤魔化し・・・いや修正して図解してみました。写真の写り方で想定してはいたのですが、要はウミアイサ♂adの翼上面の黒色部分は、内側次列風切の基部と内側大雨覆の基部が黒かったのですね。左下の図のように重なって見えるんでしょう。ちなみに上の図は雰囲気だけ伝わるように描いたものですから多少不正確だから参考程度で・・・

図鑑なんかは紙面も限られていて写真・イラストに解説文の字数も限られるから、まあ、しょうがないっちゃ~しょうがないんだろうけど、読者に「大雨覆と中雨覆の先端が黒くて・・・」みたいな誤解をさせる可能性はないこともないですねえ。もっとも図鑑や他のサイトの孫引きなら「白色部に2本の黒線が・・・」位でやめといたらいいんですけどね。

本日の重箱の隅は「ウミアイサの翼上面の黒線」でした。ん~、けっこう尺が撮れましたW

 

アメリカヒドリの交雑個体とか・・・

昨日の観察記録にアメリカヒドリが揚がっていましたが、確認できなかったので少々緊張気味のmedaichi・・・。NPOのW田君がコレコレと教えてくれたので、カメラを持ち出すことに。探すの面倒なので適当に数枚撮ると、いました。それらしいのがカモの群れの中に・・・。

良く見るタイプのヒドリガモ×アメリカヒドリ♂の交雑個体でした。首から下というか体かほとんどヒドリガモです。頭部にヒドリガモ♂の特徴がありますが、眼うしろの緑色である部分にかなり褐色味が入っていますし、嘴基部に黒色部がありません。カモ類は交雑が多く、これはこれで面白いとは思うんですが、まあ雑種沼・・・medaichiは入り込まんようにしてます。

ヘラサギで妄想したこと・・・

今朝は出撃が遅れて途中の緑道でY岡さんに「ヘラサギ来てます・・・」と教えていただいた。展望塔のコバさんによると北西奥の鋼管前にいるとのこと。「北観察所から撮れそう・・・」と突した。お昼近くなると、この季節でも空気の揺らぎが出て撮影は少々ムズい。

例によってボツ写真を大量生産しながらアレコレ小細工していくと、使えそうな写真が数枚。ヘラ君が隠れたので写真を確認していると、「んっ?、この子、上嘴端の黄色部に黒子・・・、見たことあるぞ~!」と・・・。

でもって、過去記事を検索すると今年2023年1月28日の記事がヒット。左の冠羽のある子の嘴の黄色部を上の写真と比べてみてください。「この子、恐らくペアリングしているであろう右の子に比べると、体も少し大きいし嘴も長めに見えるので、成鳥♂」と思った子じゃね? という次第・・・。今は秋ですから冠羽は無いですけどね。

当然、「嘴の様子なんか成長過程でかわるし、そんなんmedaichiの妄想やろ・・・」とのお声もおありだろうが、ヨーロッパのヘラサギ関係のサイトで、成鳥あるいは4暦年以上の鳥の場合「黄色い嘴の先端の形と大きさは個体によって異なる(個体を識別するための印として使用できる)。」との記載もあったので、そうだなあ、「この子、前に見た子と同じじゃね?」ってのは、「妄想」というよりは、英語の「perhaps」<「maybe」<「probably」確度80%、つまり「確度の高い推定」Wとしておきましょうか。

でもって、medaichiは「お帰り~っ!!」と言ってあげました。

ヘラサギで蛇足的余談を・・・

ん~、お気楽に成鳥なんて言っちゃったけどいいのかな~って、毎度のことながら、NPOのW田君にもらった写真を揚げてからのグダグダですが・・・。デジスコで狙ってパタパタするのを待ちました。いい子ちゃんの飛び立ち前のパタパタを連射。んっ、左右の風切羽P8が短いぞお~と。

普通、初列風切の換羽は、内側から外側へ向かって順に進み。風切羽の換羽は左右対称でもありますんで、この場合、内からP8までが新羽で外側の暗色の羽軸が認められるP9、P10が旧羽と想定されます。

春、黄色い胸帯とか長い冠毛、嘴先端の黄色斑、黒い脚、赤い虹彩等、成鳥の特徴を持ちながら、初列風切に黒い羽軸および小さな暗色班を持つ鳥は、おそらく 4暦年目だと思います。大抵の3暦年目秋の鳥の初列風切はほぼ白くはなりますが、もう少し暗色部があるようにmedaichi的には思いますから、旧羽に黒い班がなく暗色の羽軸だけが残存するこの子は4暦年目秋の可能性が高いのではないかと思います。

まあ、例えば左の様に風切羽を順光で見れば、軸班の色はわからなくなる等、このような細部は野外での観察では識別が難しく、非繁殖期の鳥の年齢はわかりにくいものです。もっと近くて精細な写真で嘴等、他の識別点など見ることができたらより正確になるでしょう。

medaichiはお客様に質問されたら「ん~、個体差もつきまといますけど〇年目秋の特徴が出てますねえ。」と例によってお茶を濁すと思います。

でもって本日の蛇足的余談というか重箱の隅は、ヘラサギの初列風切羽でした。

 

ヘラサギがやって来たこと・・・

今日は残念ながら水曜で、展望塔はの定休日だったのですが、NPOで干潟に設置したトレイルカメラのデータ回収の日。NPOのW田君が1羽のヘラサギを発見、写真を撮ってくれました。北観察所前のカキ礁で距離ありましたが頑張ってくれました。

medaichiが待ち焦がれていたシャモジっ子です。え~まぁ~、なんで待ち焦がれてたかというと、この子のようなアハハ、絵づらの映える子がいないと営業上差し支えるわけで・・・。そこら辺の些末なことはさておいて、パッと見で成鳥に見えます。

 

シギチの国内標識が変更になっていた件

毎度のことではあるけれど、秋の渡りで野鳥たちが帰ってくるまで、medaichiはネタづまりで、本サイトやブログの更新に四苦八苦せんといかんわけで・・・。双眼鏡やらデジスコネタでお茶を濁すのが常套の手口ではありますWが~。暇かと言うとそうでもありません。先日、トウネンとハマシギの標識鳥の記事かきましたが、そこら辺の話でいうと東アジア・オーストラリア地域のカラーフラッグのコンビネーション( 標識の国別・地域別の組み合わせ )の更新変更のチェックとかもしています。

シギチドリの標識の組み合わせについては、ネタ元のEAAFPのPDF「Shorebird Color Flagging Protocol on the East Asian-Australasian Flyway」の更新をチェックしたついでに、国内のネタ元の山階鳥類研究所の「調査地域別のフラッグの組み合わせ」を久しぶりに見に行くと、なんと「日本 千葉県・東京都 東京湾」のフラッグの形が変更されたため、調査地域別のフラッグの組み合わせ図を差し替えました(2019年5月27日)」となっているではありませんか。

大雑把に言うと千葉県・東京都の東京湾エリアと、千葉県・茨木県の利根川下流エリアの二つに変更されてました。上のイラストの様に本サイトの図版も新旧併記で変更入れておきました。「2019年5月って、4年前やん・・・」と青恥もええとこですみません。ついでながら、兵庫県立コウノトリの郷公園で出しておられる「コウノトリの足環カタログ」も2023年4月7日に更新されてました。これは滑り込みでセーフつうことで勘弁願います。