ダイサギとチュウダイサギ 
大きなサギのややこしいお話
2014年秋の通過個体を追加
    そもそも話の発端は、左の写真… 2012年の11月15日の西池の対岸です。

管理人:  「な~んか、左のダイサギ、大きくね?…」
同僚:  「ああ~、こいつ、かなりでかいなあ…、これ、もしかしてダイダイサギってやつかな~…、でもって、右のがチュウダイサギ…」
  「こんなに大きさの差があるもんなのかな? とりあえず写真だけでも撮っておいてちょ。」

まあ、こんなノリで撮影したのが左の写真
 (クリックすると、大きな画像が開きます。)  
 ああ、すみません。いきなり、ダイダイサギとか、チュウダイサギとか、ややこしい話で(笑) 要は、普通に見られるシラサギの説明でね、「シラサギって言っても大中小、ダイサギ、チュウサギ、コサギの三種類あります。」ってのが従来の普通の説明で、最近は「夏にいるダイサギはチュウダイサギで、冬になると北方で繁殖したダイダイサギがやってきます…。」等ともっともらしい説明を聞いたことがある方もおられると思います。

 余談になりますが、ダイサギって扱いがまちまちでして、シラサギ属 Egretta か、アオサギ属 Ardea か、はたまた、独立属か…等と、研究者によって見解が異なり、それにともない図鑑でも、採用する学名が違ってました。「そんなの困るよ~」ってお叱りの声を頂戴しそうですが…、まあ、そんなもんです。
 今度でた、鳥学会の「日本鳥類目録・改定第7版」では、アオサギ属 Ardea を採用したようで、今後の出版、改定される図鑑では ダイサギは Great Egret  Aldea alba ってことに落ち着くとおもいます。
 ということで、本稿も鳥類目録7版に従うと、いわゆるシラサギの大きいやつは、
●日本で春から夏に繁殖し、越冬もしている亜種チュウダイサギ 
 (アオサギと同大か、少し小さい)
●大陸で繁殖し日本で越冬する亜種ダイサギ
(アオサギと同大か、少し大きい) 
 それぞれ 亜種チュウダイサギ Aldea alba modesta と、亜種ダイサギ Aldea alba alba として、お話を進めていくことにします。  

 
 日本野鳥の会大阪支部の大先達、榎本佳樹先生の「日本産主要鳥類測定表」によると、
 亜種チュウダイサギ         
全長94.0cm~ 83.8cm 平均89.3cm。
 亜種アオサギ
全長97.8cm ~88.0cm 平均92.8cm 
 とありました。また、別の資料では
 亜種ダイサギ     
 全長104cm~98cm
 以上の記載がありました。
 これだと、確かに亜種ダイサギは、亜種チュウダイサギより、ひとまわり大きく、アオサギより少し大きそうですが、野外で単独で観察した場合、大きさだけで、その差がわかるものなのか管理人には心もとないですね。上の写真は、先の2012年11月15日に撮影した亜種チュウダイサギ(右)と亜種ダイサギと思われる個体(左)の写真で、サイズを調整して比較した写真です。写り方や姿勢の違いを考慮してもかなり差がありそうには見えるのですが、やはり、単独で観察した場合はどうでしょうか。
   左の写真を観ていただきたいのですが、これは翌年の2013年10月17日の写真で、アオサギと並んだ亜種ダイサギと思われる個体です。若干、立位置が違いますが、そこら辺を勘定に入れても、これまた、数字以上に差があるように見えますが、毎度、都合よくアオサギが来てくれればいいんですが・・・。
  これら、野鳥園で2012年秋と2013年秋に観察できた、亜種ダイサギと思われる個体は、管理人には、前述の測定値以上に大きい印象があると言うことと、関西の野鳥園で亜種ダイサギを観察するチャンスは極めてまれで、秋の渡りの一時期に限られるのではないかと思われます。
 さて、中国北東部から、東シベリアの大陸で繁殖した亜種ダイサギ…、今まで「ダイダイサギ」とか、「オオダイサギ」とよばれていて、今度の鳥類目録で亜種「ダイサギ」とされた種 Aldea alba albaは、野外で単独で観察した場合、判別できるものなのでしょうか?

 今回、管理人の手持ちの画像で検証してみますが、2012年秋と2013年秋の観察ですから、非繁殖羽・冬羽の識別と言うことになります。
 
 図鑑を何冊か調べると、
●亜種ダイサギの冬羽は、足の色が脛の殆どと附蹠にかけてが、黄白色あるいは淡色である。 
●亜種チュウダイサギの冬羽は、脛の上部がわずかに淡色の個体もいるが、脛も附蹠も概ね黒い。 
 以上の識別点がわかりやすそうですが、体の大きさも含めて、総合して判断する必要がありそうです。
 以前、一部の書籍に、亜種ダイサギの足の裏つまり、趾の裏が淡色に見えると書かれていると聞いたことがありましたが、管理人の印象では、脛から附蹠にいたるまで淡色な個体だと、そのようなこともありそうです。
 
 
   
 さて、写真で比べてみると、今回観察できた、亜種ダイサギと思われる左の個体の足は、脛のほとんどと脛から下の附蹠にかけて黄白色あるいは淡色のようです。右の亜種チュウダイサギではそのようなことは観察できませんが、脛の上部が部分的に黄白い個体もいるようです。
 どうやら、このあたりがポイント高そうですね。でも、「足に付いた泥が乾燥して明色に見える~」ってのは無しですよW ちゃんと水辺で足を洗ってくれた子で観察しましょう。それから、非繁殖期に限ると覚えておいてください。管理人は繁殖期の個体は見たことがありません。
 
  こっから先は、おまけですが、実は前述の亜種ダイサギの足の裏の話…。なんとなく確かめたくて、足の裏が見えるまで粘りました。
 やっとのことで左のワンカット!! 「ん~…、見事に黒いねえ(笑)」とのお粗末。やっぱり附蹠まで黄色いっつう位の個体でないと、その趾指の裏まで淡色にはならんってことだろうし…って、脛から附蹠までまっ黄色なら、その時点で亜種ダイサギって判るし、使えねえなあという話になりました。
 さて、これから管理人に、亜種ダイサギの繁殖羽を観察するチャンスが訪れるでしょうか? ちなみに、鳥類目録の第7版では、亜種ダイサギは「IV」つまり irregular visiter ってことになってます 

 2014年秋にも観察できた。
 
追記) その後、2014年11月4日に亜種ダイサギと思われる個体を観察しました。それから、過去の画像倉庫をひっくり返して、白いサギの画像を全部検証するはめに・・・。参考になると思われる画像を揚げておきます。 

クリックすると大きな画像が開きます
 
クリックすると大きな画像が開きます
   ←左の写真は展望塔前で、左上の亜種ダイサギと同一個体です。やはり、大きく見えます。大きさの比較をしたかったので、デジスコなもんで、右のチュウダイサギと1カットで撮るのに苦労しましたW 
 ↑上の、脛の基部が明色な亜種チュウダイサギは、他の個体と一緒に観察され、サイズも検証しています。このような個体もたまにいますから、注意が必要ですね。
念のため、クローズアップを撮ってみた・・・ 
 
 せっかく、展望塔の側まで来てくれたので、ダイサギのお顔をクローズアップに・・・。ダメもとでチュウダイサギと見比べてみました。ん~・・・、何のコメントもでてきませんねW  まぁ、この手の話は、見てなんぼですから相違がないならないで、それがわかればOK!ってことですね。繁殖地で観察とか、あるいは越冬地で継続して観察とかしてるわけでもないし、まあ、秋の通過個体ならなんとか見分けがつきそうです。 
 
(後記) 
 2000年に平凡社から出された、野鳥写真図鑑「日本の野鳥590」、管理人も長らく愛用させていただいてましたが、2014年「決定版・日本の野鳥650」として新たに出版され、管理人も早速、購入しました。本書のダイサギの項を見ると、ダイダイサキの成鳥冬羽、脛から趾の先まで見事に黄白色な個体の写真が揚げられていました。とても勉強になりました。
 
個人情報の取り扱いについてのお知らせ