いまさら単焦点の渋さにこだわってみる その1
    管理人だけではないでしょうが、オフシーズンに野鳥のの撮影に使用するデジスコ関係のチューンナップをトライして翌シーズンに備えます。良く言えばそうななるんでしょうが、ぶっちゃけ、鳥もいないし、小ネタかまして、お茶を濁す…まぁ、このあたりが正解でしょう。でもって、管理人が現在トライしているデジスコ用カメラはPanasonicのDMC-GM1sですが、このキットレンズはLUMIX G VARIO 12-32mm F3.5-5.6という、いわゆる標準系ズームレンズです。前玉が小さくて、アイピースへの相性も良く使いやすいのですが、管理人のような等倍狂には、写りがそれなりというか少々モヤッと感が…、つまり、「もう、ちょっと写るんじゃ・・・」という思いがつきまといます。
 撮影用のアイピースをTE-11WZの25-60倍ズームにしたので、ズーミングはそちらまかせで、カメラレンズはキレ味と抜け優先で単焦点もいいかなと思いつきで、今季トライしたのが、下のPanasonic Lumix G 20mm F1.7 ⅡASPH という単焦点レンズ。薄型軽量のいわゆるパンケーキレンズというやつです。
 m4/3のセンサに魅力を感じて、撮影用カメラを今までのコンパクトデジカメからミラーレスに替えたのも、よいレンズに巡り合えたら、カメラボディは何でもアリ・・・、今までの様にカメラを替えるたびにアダプタに悩まされることもなくなるだろうってのが本音だし、その分レンズにはこだわってみたくなりました。
  Lumix G 20mm F1.7 、写りの良さでは定評のあるレンズですが、デジスコにつかった場合はどうなんでしょうか。
 
 レンズ仕様 
 型式 m4/3 20mm 開放絞りF1.7 最小絞りF16 
 画角  57° 35mm判換算で40mmの画角相当
 レンズ構成  5群7枚(非球面レンズ2枚)
 手ブレ補正  ー
 最短撮影距離  0.2m
 最大撮影倍率 0.13倍 35mm判換算 0.25倍 
 寸法・質量  63.0mm×25.5mm 87g
   
  「画質にこだわるのなら、ズームレンズよりも単焦点レンズ」みたいなことを聞かれたことってありますよね。理由はいくつかありますが、まず、単焦点レンズの方が写りがいいと言われる理由は、一つの画角のみに最適化したレンズ設計ができるからで、35mmなら、35mmに最適化されたレンズ設計ができます。レンズの枚数が少なくてすみ、明るさ、収差の低減の面で有利です。このあたりは、双眼鏡の良いものでズーム機種が無いので、バードウォッチャの方なら感覚的にもおわかりになると思います。
 
 余談になりますが、管理人が子供の頃は、カメラといえば、たいてい35mmや50mmのF1.4だのF1.8と言った単焦点の標準レンズが付いて売られていたものです。お小遣いを貯め、新聞配達のアルバイトをしたりして、やっと手に入れたMinolta-SRT101やPentax-SP( ん~、齢がバレそうだな~W)は、宝石のように輝いて、嬉しくて布団の中まで持ち込んで空シャッターを切って遊んでいたことを憶えています。当時もズームレンズはありましたが、今の様な良いレンズは無くて、暗い、ピントを合わせづらい、画像が眠いとか、単焦点レンズに比べれば画質の面だけでなく、満足できるレベルのものはなかったのではないかと思います。

 そんなこんなで、管理人の様な旧い人間は「ズームより単焦点」と刷り込まれて育ちましたが、今は、カメラといえば普通、24-82mmといった標準系ズームレンズがキットされて売られていますよね。ズームレンズが良くなってきたこともあるし、カメラもAFだし、銀塩フィルムからデジタルになって高感度が使えるので、明るいレンズへのこだわりが少なくなってきたのもあるかと思います。今どき、単焦点の標準レンズをキットしても、まあ、売れんでしょうね(W) 冒頭で双眼鏡のズーム機種に良いものが無いなんて書いちゃいましたが、話が鳥見のスコープになると、スワロもKOWAもアイピースをズームタイプに絞っていく傾向にありますし、ズームレンズの画質が単焦点と肩を並べる時代なのかもしれません…まぁ、単焦点レンズに比べるとお値段が手ごわくなるのは覚悟していただきましょう(W)
 いや~、でかいですねえ、GM1Sのボディからはみだしてます。外径で62mm:52mm、10mmも大きいんですね。これじゃ、アダプタの自作に今まで使っていた60mmΦのアルミ管使えないですね。明るいレンズなんでレンズそのものも大きいし、セッティングに気を使いそうな予感が…
   横から見ると20mmちょっとしかありません。AF時の鏡筒の伸びも1mm程。これはシステムの全長を短くできるので雲台へのセッティング面でも評価できそうですね。
 実は、この時点で、スコープのアイピースに手で押し当てて確認すると、DIGISCO.COMさんのブログに書かれていた通り、管理人の アイピース KOWA TE-11WZに、25倍で隅にわずかなケラレが見られますが、少し倍率を上げれば消え60倍まで問題なく使えそうです。35mm換算で40mmですから、1.000mm~2.400mmのシステムとなります。
 使えるのはいいんですが…、光軸とか接眼レンズとの距離とかはかなりシビアで、アダプタの自作は苦労しそうなんであっさりとギブ(W)  基幹部品はDIGISCO.COMさんにお世話になることにします・・・。
     
 というわけで、DISISCO.COMさんとクロネコさんにお世話になって入手したのが、上のパーツです。カプラーのTA4+5は手持ちでありましたから、変換リングとメインパネルを購入、福沢先生お一人と漱石先生お三人ががり程度ですみました。あと必要なのはカメラ本体を保持する底板ですが、市販品は福沢先生お一人様なんで自作することに。厚めのアングルで大丈夫だと思います。写真ではわかりづらいかもしれませんので、簡単に図解すると下のような具合になります。
 

   でもって、さっさと作ってみました。照準器の取り付けステーはL字のアルミアングルを切ってカメラネジの穴を開けただけです。シーソー型レリーズも有りもののパーツを使って現物あわせで、でっちあげました(W)  
 F001のメインパネルには、照準器取り付けのネジ穴は開いてませんから、DISISCO.COMさんの純正照準器以外の方は、高さを加減して取り付けましょう。管理人はΦ3mmのネジ穴を2か所あけて取り付けました。シーソーレリーズの取り付け部分には、純正パーツのレリーズステー用にΦ3mmが2か所開いていましたから使用させていただきました。
 何のトラブルも無くすんなりと取り付け完了。この時点ではペーパーがけとか仕上げはしてません。試写や操作感の確認をして詰めなければならないところがあるかもしれません。
   カメラベースの部分以外は、12-32mmのズームの時より、短くコンパクトな好印象ありますね。手作り感はいまいちありませんが、まぁ、よくできたほうでしょう。
 管理人はデジスコを当分、ミラーレス一眼のm4/3をトライするつもりなんで、Lumix G 20mm F1.7 ⅡASPH が良い結果を出してくれれば、カメラを替えてもレリーズの取り付け調整程度で済むんじゃないかと・・・ 。実は、PHOTOクラブのB所さんに焚きつけられて、4Kphotoとかトライせんといかんはめに・・・見事、特大の人柱と化した管理人はどうなるのでしょう。それにしても関西というか、野鳥園のお客さんでPanasonicの方、見たこと無いんですけど、どうなんでしょうね。つづく

 おなじみの蛇足的余談です。
 管理人のデジスコ工作室
   たまにお問い合わせも来るので書いときます。管理人がデジスコ用のパーツをでっちあげるのに使っているもので、メインになるのは、クラフトや日曜大工関係の方ならおなじみのproxxon社のツールです。左のように#28400ミニルーターのチャックを#26941ドリルチャックに換装して使用しています。
これでΦ0.5-3.2mmのドリルに対応します。管理人のデジスコのパーツではΦ3.0mm・Φ2.6mm、稀にΦ2.0mmのネジを使用していますから、ネジ穴の加工はほとんどこれで対応します。
 #28606 ドリルスタンドにセットして、ミニバイスを使えば楽に、かなり正確に穴あけができます。
 穴あけ作業だけでなく、ドリルスタンドの取り付け部分は回転しますから、切断砥石もセットできます。アルミの薄板程度なら細かいカットも楽にできます。  
   その他にも切削系の先端パーツも多数ありますし、やすり研磨系のパーツもあります。なによりボール盤のように場所をとりませんから、デスクの上でチマチマやるにはもってこいですね。  ルーター本体は以前から持っていたのですが、デジスコ沼に突き落とされてから、スタンドやバイスは買い足しました。最初のころから比べたら、ずいぶん時間が短縮されて楽になりました。あはは、カメラやレンズがデジスコ沼だと思っていたら、こんなところにも沼が…、工具沼。