管理人の野鳥撮影機材 加筆中 2016.04 DMC-GX8導入を加筆
 昨今、「ホームぺージの野鳥の写真は、どんな機材で撮影してるんだ~?!」という、お客様からの、お問い合わせも多くなってきましたので、機材というほど御大層なものでもないし、個別にお答えするのも面倒なんで、書いちゃうことにします。別に、もったいぶるわけじゃないのですが、管理人は素人ですし、なんだかんだありますが一応は公共施設がらみのwebですので、個々のメーカー、機材についての記述は管理人の個人的な感想、意見ということにとどめ置きいただいて、ご参考にしていただければよいと思います(笑)
 
 大阪南港野鳥園のホームページ上の野鳥の画像は、管理人が野鳥観察に使用している望遠鏡の視野に、デジタルカメラをくっつけて撮影する、いわゆる「デジスコ」というスタイルで撮影しています。つまり、望遠鏡の視野にある正立像を、コンパクトカメラで撮影しているということです。フロントコンバージョンのセミオート撮影ってことになるのかな。以下、大まかな解説をさせていただきますが、左の写真の様に、なんかゴチャゴチャしてるんで、個別にお話ししていきたいと思います。
 デジスコというと鳥屋さんというか野鳥の愛好家さんの間でこそ一般的になりましたが、まだまだ耳慣れない方もおられると思います。要は、コンパクトデジタルカメラ(以下、コンデジと省略)と、野鳥観察用の望遠鏡(以下、スコープと省略)という二つの言葉をくっつけて省略した新語です。
 以前、コンデジが普及し始めた頃、スコープで観察中の野鳥を、手持ちのコンデジで撮れるんじゃないか…、ということで試したら、証拠写真程度の画像なら撮影できるということはありました。当然、最初は、手ぶれや画角のけられやで、とても野鳥撮影と言えるようなものではありませんでしたが、「なんか、工夫次第でいけるんじゃないか…」と、可能性は感じられました。
 先駆者の方々、メーカーの努力の結果、専用のアダプター等が開発され、ノウハウも研究が進み、今では野鳥撮影の一つのスタイルとして確立されてきました。1.000mm以上の超望遠撮影が手持ちのスコープで、一定レベル以上の画質で撮影できれば、管理人の様な鳥屋には言うことありません。
 とはいえ、システムの性質上、飛翔中や、素早く動いている野鳥の撮影にはむきませんし、パーツ数も多く、複雑で、神経を使う要素の多い撮影方式であることは確かです。
●野鳥観察用の望遠鏡 
●望遠鏡はKOWA社のΦ77mmの機種です。解像度という点ではもうワンサイズ上のΦ88mmが欲しいかなとも思うんですが、ハンドリングとか焦点深度等の使いやすさで妥協してます。それから、KOWA社の望遠鏡のフードは短いので、管理人の様な旧い人間は逆光の場合はイラッときます。左の黒いフードは塩ビ板を使った自作です。
 
●アイピース、いわゆる接眼レンズは30倍の単焦点レンズを常用します。管理人は古い人間なので、基本、ズームレンズは敬遠気味ですが、KOWA社の新製品のズームは、見た感じは好ましい印象でした。旧型のズーム持ってるし…、後はお値段が(笑)
(後記):結局買う羽目に・・・

●コレットホルダー、デジスコでは望遠鏡の接眼レンズ(アイピース)に、カメラや接続器具等の荷重がかかります。コレットホルダーの使用で、K社の望遠鏡とアイピースをガッチリ固定でき、カメラやアダプター等の荷重数100gをかけた時の安心感が増します。市販品です。
望遠鏡とカメラの接合部分 
このカメラとの接合部分が、ややこしいかと…下のイラストとあわせて、説明します。 
 ●接眼アダプターは、接眼レンズに固定し、カプラーを精密に固定し、簡単に取り外しができるように設計されています。よって、カメラが変わっても、カメラ専用のブラケットを購入、あるいは自作することで、取りつけたカプラーを介して固定できます。KOWA社の接眼にあわせたDIGISCO.COM社の市販品です。

●カプラーは、接眼アダプターと対になり、カメラによって様々なサイズ・形態のブラケットの先端に取り付け、接眼アダプターに簡便・精密に固定できます。DIGISCO.COM社の市販品です。

●カメラブラケットは、カプラーにカメラを取りつける時、カメラレンズの光軸と、接眼レンズの光軸を保持することと、カメラレンズと接眼レンズを適正な距離で固定するため、基本、カメラの機種にあわせ専用に設計されます。前述の、接眼アダプター、カプラーも含め、望遠鏡のメーカーの専用のものがあり、DIGISCO.COM社のように、専用の接続パーツを制作販売しているメーカーもあります。総じて高価ですから管理人は可能なら自作することにしています。
 
 左の写真は、市販のカプラー(黒いパーツ)に自作したカメラブラケットを取り付けたものです。これにカメラ(このブラケットはSonyのRX-100用)を固定します。
 市販のアルミ管、アルミ板を加工して自作しました。材料費は1.500円位(笑)ですが、管理人はバイス、金鋸、ヤスリ、ハンドドリルくらいしか持っていませんので、手間はかかります。ネジ穴もハンドタップで切りました。
 ブラケットの製作で一番気をつかったのは、接眼レンズとカメラレンズの光軸をそろえることで、これがキチンとできないと画質に影響します。
 ブラケット部分には、後で説明するレリーズを下から取り付けてシャッターボタンを押すパーツと、照準器の取付ステーを加えました。画質には直接関係しませんが、撮影に際して操作性に影響しますから必須です。ブラケットは多種類のコンデジが利用可能という触れ込みのユニバーサルタイプも市販されていますが、管理人は使用するカメラにあわせて、専用設計すべきだと思っていますので、カメラを替えると作りなおすはめになります。

 ●シーソー型レリーズ取付部(自作)
 手指からのブレ防止のため、シャッターレリーズは必須なのですが、市販のブラケットの場合、レリーズケーブルを上方向からの取付になる場合が多く、特にしっかりしたレリーズほど撓んだりして、無理な取りまわしになり手の振動が伝わりがちです。そこで、デジスコのカメラマンの中には、左の様なシーソー型のレバーを介して下方向からケーブルを取りまわす方法を工夫する型が多いようです。経験上ブレ低減の効果は実証されていますから、市販品もあります。

 経済的(笑)な理由から管理人も自作しましたが、…なんかメーカーさんに怒られそうですね。当然「こんなもの、誰が作ったって良く似た形になるんだいっ…!」と、開き直って機嫌よく使っておりますが…(笑) DIGISCO.COM社のデジスコ専用レリーズは先端基部に5mmのネジが切ってありますので、レリーズを取りつけるパーツに5mmのネジ穴を切るだけでしっかり取付ができました。(シーソー型レリーズの記事) 
●ヒップサポート(自作) 
 地味なパーツですが必須なのが、この「ヒップサポート」。デジスコのシステム全体のバランスを取るために、ロングプレートを使用しますが、スコープの取付台座一か所のみでの固定だと、バネ振動というか振り子の様な振動が出て低減するのに時間がかかります。
 そこで、もう一か所でシステムを支えてやるために必要なのが、このヒップサポートとなります。後ろの方が効果がありそうですが、接眼レンズよりカメラに至る光学系に負荷をかけると撓みの為、光軸の保持に良くなさそうなんで、管理人としてはこの位置がベストと思っています。取付には、下からカメラねじ(1/4inch)を切って、プレートの下から付属の細ネジで止められるようにしました。
 
その他のアクセサリー 
 
 ●バランスプレートは必需品でしょう。ビデオ雲台に付属の物では短すぎて使えません。管理人はGitzo社の200mmのロングプレートですが、Manfrotto社の雲台に互換できますし、長さも余裕があります。これはお薦め品です。

●雲台は、野鳥を速やかに視野に入れ、画角を微調整しなくてはならないので一般の3way雲台では使いにくく、Manfrotto社の小型のビデオ雲台を使っています。ジンバル雲台という選択肢もあるのですが、管理人の場合、海辺での使用が多く、風が強くかつ、被写体までの距離がある場合など、ガチガチに固めて使う場合が多いので、今のところはビデオ雲台で、三脚を含めて、ワンサイズ大きなものを導入予定です

●三脚は、機材を担いでの移動を前提に、軽量高剛性優先で管径28mmの中型のカーボン三脚で不足はありませんが、雲台の所で述べたように、風の強い場合はもっと大型の三脚が欲しくなります。

●照準器、デジスコでは換算焦点距離は1.000~3.000mmに及びますから、画角は非常に狭くなり、いきなり望遠鏡を野鳥に向けても探すのが困難です。そこで、形式は様々ですが、なんらかの照準器(管理人は一般にドットサイトと呼ばれるものを使用)をもちいて、あらかじめ、カメラのセンターと照準器を調整し、広い視野で野鳥を確認して、望遠鏡を向けることができます。これも必需品と言えます。(照準器に関する、もう少し詳しい解説)

●シャッターレリーズ デジスコの様な超望遠撮影に際しては、ブレが大敵。シャッターボタンを指で押していては、僅かの手の振動がブレにつながりますので必須。

●液晶フード、デジスコではカメラの液晶画面のライヴビューをみながら、スコープの焦点をあわせ、写りを確認しながらシャッターを切ります。撮影情報のほとんども液晶画面で確認しますので、明るいところでも液晶をきっちり見ることは大切です。市販品はたいてい拡大レンズ付きですからピント合わせも楽にできます。自作したこともありますが、今はDIGISCO.COM社の市販品を使用。
2016.04現在 PnasonicのDMC-GX8導入したのでEVF、カメラのファィンダを使っているので2軍に・・・
 蛇足的余談のコーナー
 この稿を書いていて、まあ、デジスコという撮影方法の複雑さというか、ややこしさ、パーツの多さを改めて感じますが、管理人も自作のパーツをちょこちょこ作っているように、ある意味未完成のシステムなのかなと思います。「ああでもあるか…、こうでもあるか…」等と素人が夜な夜な工夫をこらす余地があるのかなと。管理人の奥さんは「夜中に家でアルミ削るのやめれ~!!」とわめいております(笑)

        ●デジスコで野鳥撮影に向くデジタルカメラ
 
 「デジスコという撮影スタイルは、望遠鏡にデジタルカメラを接して撮影する簡便な方法…」といいましたが、デジタルカメラの種類は各メーカーいっぱいありますが、実はデジスコに向く機種というのは、スペック的には比較的限られていて、どんなカメラでも使えるというものではありません。

 まず第一に使用レンズですが、焦点距離はおおむね24mm~120mm・ズーム比は5倍くらいまでです。35mmカメラへの換算は、レンズの焦点距離にアイピースの倍率を乗じたものになりますから、実に3.000mmオーバーとなります。撮影は長焦点ほど難しくなりますし、倍率が高くなるほど像も暗くなりますし、ブレも増幅されますから、これ以上の倍率は実用的ではないということになります。

 それ以外にも、機材との「相性」という曖昧な表現になりますが、ワイド端の像のケラレや、テレ端の周辺減光、レンズ鏡筒の伸び縮み等、様々の要件があり、実際にデジスコ適性のあるカメラは限られてきます。また、制限の範囲内でできるだけ明るいレンズが有利ですし、使用されているイメージセンサも大きなものほど、高感度ノイズ軽減・諧調表現の豊かさ・トリミング耐性等で作品作りに有利です。

 従来、一般的なコンデジの場合、イメージセンサは1/2.3型が主流でしたが、現在、その辺のカメラはスマートフォンに取って代わられてしまっています。ハイエンド機種と言われているものには1/1.7型あるいは1型センサが搭載されるようになってています。条件が同じなら、撮影された画像もハッキリ違いがわかります。

 イメージセンサーの大きさという観点からすれば、一眼レフのフルサイズ・APS-C等にかないませんが、2016年4月現在、m4/3サイズのミラーレス一眼まで、デジスコでの選択肢が広がりました。コンデジやミラーレス一眼にはミラーがありませんし、電子あるいはレンズ内シャッターによりミラーブレ、シャッタブレがありません。また、デジスコとしてシステムを組むことにより焦点距離1.000mmでもf3.0というような明るさでの撮影も可能ですし、画角の狭さにより被写体周囲の露出に影響されず、被写体を切り取ることもできます。
 
●2016.4月現在のメインカメラ(野鳥撮り用) Panasonic DMC-GX8

 同じくM4/3のミラーレス一眼。2000万画素に画質を維持しつつ高画素化。ボディも大型化したが、それに伴いEVFも見やすくなり、露出補正ボタン等の撮影コントロールを独立させ、撮影時のアドバンテージは従来のコンデジとは別格のものがある。話題の4kフォトだが、webサイトその他のコンテンツの素材撮りという管理人の用途には、現時点でも充分な画質があり、撮影も後処理も楽だ。管理人はアイピースをズームレンズ、カメラ側を20mmの単焦点レンズという組み合わせで撮影しているが、フォーカスは遅いが正確で、結構キレた絵を出してくれるカメラで、人柱になって良かったとホッとしているW
 
 ●2016.4月現在、サブカメラ(普段撮り用) Panasonic DMS-GM1

 カメラらしいというか、管理人のような昔の人にはホッとするお姿だ。ゴツイ一眼レフに、カメラマン装束で「さあ、撮るぞ~」じゃなくて、普段着のお爺さんが、ポケットからスッと出して、気に入ったシーンをパシャリ!…つうか、「まあ、デジスコで使えなきゃ、普段使いにいいなあ…」 と、衝動買い(笑) 実は、この機種、M4/3の1.600万画素のイメージセンサを搭載した、ミラーレス一眼なのである。3.5-5.6/12-32mmと、最近のコンデジからすると、レンズは小さくて暗い上に、ズームも2.5倍とスペック的にはどってこと無い。この、小ささがデジスコと相性が良いんだが、ここら辺の面倒臭いお話は→こちらへどうぞ
 ●2016.4月現在のサブカメラ Sony RX-100

 1.0型CMOS/2000万画素のイメージセンサは、遠くの野鳥を撮影し、トリミングしてwebに揚げる管理人のような使用にはむいていると思って機種決定。実写して上がった画像もいままでより1ランク上の画像を得ることができた。ISO400程度までは使用可能だ。液晶画面は3型123万画素で精細感があり、液晶モニターフードと組み合わせてピント合わせも楽で、表示速度も速い。S社のカメラは、初めてで最初は「なんか、カメラというより電機製品を触っているよう…」という印象を受けたが、設定を煮詰め、使い込むうちに気にならなくなった。使用感の好き嫌いとかあるかもしれないが、総じて優等生・死角の少ない秀逸なカメラと言える。
 2016年.4月現在(引退) Canon powershot S-100 

 1/1.7型のCMOS機。カメラメーカーのC社製品らしく、自然な感触で操作できるし、熟成された画像処理エンジンとあいまって綺麗な絵を出してくるカメラだ。このシリーズは当初のS90・S95とCCDセンサ時代から使っていて、その色乗りの良さが気に入っていた。CMOS化されたが、地味というかアッサリした発色が気になったのは最初だけで、かえって自然な描写と思える。操作性も良好な機種ではあるが、最近の各メーカーの機種に比べて液晶画面が46万画素ではあるが、感覚的なもので実用上、大きな支障ではない。
 


このページは加筆中です。あしからず。